法人営業やマーケティング、与信管理を行ううえで欠かせないのが「企業データベース」です。
一方で、
- ツールの数が多く、違いが分かりづらい
- 「営業リスト用」「与信用」「市場調査用」が混在している
- 料金体系もバラバラで比較しづらい
という悩みも多いはず。
この記事では、用途別に代表的な企業データベース7サービスをピックアップし、「特徴」「料金イメージ」「口コミ傾向」「向いている用途」を整理して解説します。
企業データベースを選ぶ前に押さえたい3つのポイント
1. まず「用途」をはっきりさせる
企業データベースと一口に言っても、主な用途は大きく分けて次の4つです。
- 新規開拓・営業リスト作成
- 業種・地域・規模などで条件検索して、ターゲット企業リストを抽出
- 与信管理・リスク管理
- 倒産リスクや信用度、財務情報などを元に、取引可否を判断
- 市場・競合分析
- 業界レポートや海外企業データまで含めて、事業戦略の材料に
- PR・広告・情報発信
- 企業情報+プレスリリースや広告掲載を組み合わせて露出・SEOを狙う
ツールによって「営業リストに強い」「信用調査に強い」「リサーチ寄り」など得意分野が大きく違うので、最初に自社の主目的を決めておくと失敗しにくくなります。
2. 料金体系とボリューム感を確認する
- 件数課金(従量課金):1件あたり◯円、月◯件まで…など
- 月額定額制:ユーザー数や機能範囲でプラン分け
- 個別見積もり:大手・高機能ツールは要問合せが多い
たとえば「Urizo」は企業情報1件あたり0.88円〜、月額9,900円〜という低単価の従量課金型で、初期費用も比較的安く設定されています。
一方、「SPEEDA」「ユーソナー」「帝国データバンク」「東京商工リサーチ」などは、
大企業向けの個別見積もりとなることが多いです。
3. 既存ツールとの連携・運用のしやすさ
- SFA・CRM(Salesforce、kintone 等)との連携
- MAツールやメール配信ツールとの連携
- ブラウザ完結型か、インストールが必要か
- UIの分かりやすさ・サポート体制・トライアルの有無
特に営業部門で日常的に触るツールは、「現場が自然に使い続けられるか」が成果を左右します。
企業データベース比較7選
1. Musubu(ムスブ)/Baseconnect株式会社

用途:営業リスト作成・インサイドセールス・MA連携向け
概要・特徴
- 約140万件以上の企業情報を保有するクラウド型企業情報データベース。
- 業種・地域・売上規模・従業員数などの条件で企業を絞り込み、そのまま営業リストを作成可能
- メール配信や簡易的な分析機能も備えた「リード獲得ツール」として位置付けられている。
- 上場企業から中小企業まで7万社以上が利用している実績。
口コミ・評判の傾向
- 良い声
- 企業情報が詳細で、営業リスト作成の時間が大幅に短縮された
- 業種や規模などの条件検索が細かくて便利。
- 改善要望
- 特にIT・ソフトウェア領域の分類精度に課題があるという指摘もあり、
「SIerとSaaS企業が同じ分類になってしまう」などの声もある。
- 特にIT・ソフトウェア領域の分類精度に課題があるという指摘もあり、
向いている企業
- インサイドセールス/SDRを運用している企業
- BtoB SaaS・IT企業など、ターゲットの条件が細かい新規開拓をしたい会社
- SFA/MAと連携して効率的にリード獲得〜ナーチャリングまで行いたい企業
2. Urizo(ウリゾウ)

用途:低コストで大量の営業リストを収集したい企業向け
概要・特徴
- 企業リスト収集ツールとして、複数サイトから企業情報を取得し、企業情報1件あたり0.88円〜という低価格が特徴
- 月額プランはベーシック9,900円〜など、収集件数に応じた4つのコースが用意されている
- 主な機能
- 複数サイトのデータを自動で集約・重複整理
- 一度収集したデータは保存され、何度でも出力可能
- 既存の自社リストをインポートして管理もできる
口コミ・評判の傾向
- 「コストパフォーマンスが高く、件数単価が安いので、中小企業でも導入しやすい」
- 「オンライン完結で導入でき、短期間で大量のリストをほしい時に便利」といった声が多い。
向いている企業
- テレアポ・DM・FAXDMなど、量を重視したアウトバウンド営業を行う企業
- まずは低コストで営業リスト作りを試したい中小企業・個人事業主
3. ラクリス(Rakulis)

用途:属性が豊富な営業リストを素早く作りたい企業
概要・特徴
- クラウド型営業リスト作成サービス
- 企業名、住所、電話番号だけでなく、FAX番号・従業員数・売上・資本金・設立年月など詳細な項目を取得できるのが強み。
- 複数の情報源からデータを統合しているため、企業の詳細情報を一元的に取得可能。
- 手作業なら20時間かかるようなリスト作成も1〜2分で完了するという訴求。
口コミ・評判の傾向
- 「FAX番号が一括で取れるのでFAXDMとの相性が良い」
- 「重複排除や料金プランが柔軟で、部署ごとの利用にも向いている」など、
営業現場の負担軽減に対する評価が多い。
向いている企業
- FAXDM・テレアポなどのアウトバウンド施策を多用する企業
- 売上や従業員数など、属性条件を細かく指定したターゲティングをしたい企業
4. ユーソナー(uSonar)

用途:顧客データ統合・名寄せ・ABM戦略に強い
概要・特徴
- 日本最大級の企業情報データベース「LBC」を搭載し、国内拠点網羅率99.7%というカバレッジの高さが特徴。
- 企業・事業所(店舗)単位でデータを網羅し、営業・マーケ・カスタマーサクセスなど、部門横断で使える「顧客データ統合ソリューション」として提供。
- 名寄せ技術やAIを活用し、重複した顧客情報を統合・クレンジングできる。
口コミ・評判の傾向
- 「バラバラだった顧客データベースを一本化できた」「ABMのターゲット定義がしやすくなった」など、大企業のマーケ・営業統括部門からの評価が高いと紹介されています。
向いている企業
- 既にCRM・SFAを運用しており、顧客データの重複・名寄せが課題になっている企業
- ABM(アカウントベースドマーケティング)を本格的に進めたい中〜大企業
5. SPEEDA(スピーダ)

用途:市場調査・競合分析・事業戦略立案向け
概要・特徴
- Uzabaseが提供する経済情報プラットフォーム
- 国内外1,000万社を超える企業情報を収録し、3,000本以上の業界・トレンドレポートを閲覧できる。
- 財務データ、株価情報、M&A事例、技術動向など、経営企画・新規事業・投資検討に必要な情報を網羅的に提供。
口コミ・評判の傾向
- 良い声
- 「世界中の膨大な企業データを活用できるので、海外を含めたマーケット分析がしやすい」
- 「業界レポートの質が高く、短時間でインプットできる」。
- 課題としては、「料金は安くない」という声もあり、中堅〜大企業向けツールという位置付けです。
向いている企業
- 経営企画・IR・新規事業・コンサルティングファームなどリサーチ比重の高い部門
- スタートアップ投資・M&A・競合分析を日常的に行う企業
6. 帝国データバンク(TDB)

用途:与信管理・信用調査・営業リスト基盤
概要・特徴
- 日本を代表する企業信用調査会社で、日本最大級の企業情報データベースを保有。
- 「企業概要データベース COSMOS2」では、年1回以上のメンテナンスを実施した全国全業種149万社の企業情報を収録し、信用度・業績・業種・所在地などで企業のリストアップが可能。
- インターネット企業情報サービス「COSMOSNET」や「TDB企業サーチ」から
24時間いつでも信用調査報告書・企業情報・倒産情報などを取得できる。
口コミ・評判の傾向
- 業界内では、「ネームバリューと情報の信頼性が高い」「独自取材・調査が強み」とされ、与信・リスク管理のスタンダード的な存在といえます。
向いている企業
- 取引先の与信管理を厳格に行う必要があるメーカー・商社・金融機関
- 全国規模での営業展開において、信用度を加味したターゲット選定をしたい企業
7. 東京商工リサーチ(TSR)

用途:与信管理・海外含む企業情報・マーケティングデータ
概要・特徴
- 「TSR企業情報ファイル」等のデータベースサービスを展開し、約400万件超の国内企業情報をベースに、業種・従業員数・取引銀行など多彩な属性情報を提供。
- インターネット企業情報サービス「tsr-van2」では、国内700万件超+世界約6億件の企業を収録し、与信管理・マーケティング・調達先管理など多目的に利用可能。
- 与信判断指標として「評点」「リスクスコア」、コメント付きの企業調査レポートも提供
口コミ・評判の傾向
- 学生や転職サイトのクチコミでは、「企業の取引を支える情報基盤として社会的意義が高い」といった声が多く、帝国データバンクと並び与信系データベースの定番と評価されています。
向いている企業
- 国内外の取引先を含めて、広く与信・リスク管理をしたい企業
- マーケティング用に大量の企業属性データを活用したい企業
8. 全国企業データベース(おまけ:情報発信+SEO視点で強み)

用途:企業情報検索+プレスリリース配信・広告・SEO活用
概要・特徴
- 日本全国の法人情報・企業データを集約したBtoBプラットフォームとして、企業データ検索・広告掲載・プレスリリース配信などの機能を提供。
- 都道府県・業種・法人種別から企業を検索でき、企業ページに最新のプレスリリースや企業情報を掲載可能。
- 2025年10月時点で掲載企業3,000社突破、2025年11月にはプレスリリース配信に「検索エンジン順位トラッカー」機能を追加するなど、SEOや検索結果での見え方を重視した設計が特徴です。
口コミ・評判の傾向(公開情報ベース)
- 公式X・Facebookでは「日本全国の法人情報と最新プレスリリースをまとめて見られる」「中小企業でもPRしやすい」といった文脈で紹介されています。
向いている企業・使い方
- 「自社の企業ページ+定期的なプレスリリース掲載」でGoogleニュース・検索エンジン経由の流入や被リンク効果を期待したい企業
- 地方企業やスタートアップなど、広告費を抑えながら露出とSEOを同時に高めたい企業
主要企業データベース 比較表
ざっくりとしたポジショニングを整理すると、以下のようになります。
| サービス名 | 主な用途 | データカバレッジ / 特徴 | 料金イメージ(公開情報ベース) |
|---|---|---|---|
| Musubu | 営業リスト作成・インサイドセールス | 約140万件の企業情報。細かい条件絞り込み・分析・メール配信までワンストップ | 月額+件数ベース。1件単位購入も可能(プラン多数) |
| Urizo | 低コスト大量リスト収集 | 企業情報1件あたり0.88円〜。複数サイトから収集し重複自動整理 | ベーシック月9,900円〜/件数ごとの従量課金 |
| ラクリス | 高属性リスト・FAXDM等 | FAX・売上・従業員数・資本金・設立年月など詳細項目。1〜2分で大量リスト作成 | 定額/月額/部署別など柔軟なプラン(要問い合わせ) |
| ユーソナー | データ統合・名寄せ・ABM | LBCデータベース(国内拠点網羅率99.7%)。名寄せ・クレンジング・顧客データ統合に強い | エンタープライズ向け個別見積もり |
| SPEEDA | 市場調査・競合分析 | 国内外1,000万社+業界レポート3,000本以上。戦略・投資・新規事業向け | 高機能ゆえ料金は高め。個別見積もり |
| 帝国データバンク | 与信・信用調査・営業基盤 | COSMOS2などで149万社の企業情報+評点。COSMOSNET/TDB企業サーチでオンライン閲覧 | 利用形態に応じたプラン・個別見積もり |
| 東京商工リサーチ | 与信・海外含む企業情報 | TSR企業情報ファイル・tsr-van2で国内700万件+海外6億件超。評点・リスクスコア付きレポート | 与信・マーケ用途に応じて個別見積もり |
| 全国企業データベース | 企業情報検索+PR/SEO | 全国の法人情報+プレスリリース・広告。企業信用スコアやSEO順位トラッカー機能も展開 | 掲載・配信プラン(プレスリリース・広告)ごとに料金設計(※詳細は公式案内に準拠) |
用途別のおすすめの選び方
1. 「営業リストをとにかく増やしたい」なら
- 大量の新規リストが必要:Urizo/ラクリス
- 絞り込みの精度やSFA/MA連携も重視:Musubu
2. 「与信リスクも見ながら取引先を増やしたい」なら
- 国内の信用調査・与信判断のスタンダード:帝国データバンク
- 海外含めた幅広い企業データ+与信:東京商工リサーチ
3. 「市場調査・新規事業・投資の情報基盤が欲しい」なら
- 業界レポートや海外データまで含めたリサーチ基盤:SPEEDA
4. 「社内に散らばった顧客データを統合したい」なら
- 名寄せ・クレンジング・ABMを軸にしたデータ統合:ユーソナー(uSonar)
5. 「露出とSEOも意識して情報発信したい」なら
- 企業情報ページ+プレスリリース配信+検索エンジン順位トラッカーを組み合わせて、
認知拡大とSEOを同時に狙える:全国企業データベース
まとめ:自社の「主戦場」を決めてから、最適な1〜2ツールを組み合わせる
企業データベースは、「営業リスト」「与信」「リサーチ」「PR・SEO」など、目的によって最適解が大きく変わります。
- まずは「どこで一番成果を出したいか(主戦場)」を決める
- その領域に強いツールを1〜2個選んで組み合わせる
- 可能なら無料トライアル・デモで、実際の検索条件やUIを試してみる
という流れで検討すると、失敗が少なくなります。


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